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【第9回】アーカススタジオ


アーカススタジオ

※取材日時:平成24年2月1日

 

茨城県が主体となって1994年にはじまった現代芸術を支援するプログラムが、アーカスプロジェクトです。活動の拠点は、守谷市の生涯学習施設「もりや学びの里」の中にあります。世界中から公募によってアーティストを招へいする、アーティスト・イン・レジデンス事業を主体に展覧会、ワークショップ、レクチャー、コンサート、映像上映会などを開催する、数多くのプログラムが展開されています。

若いアーティストに創作活動に集中できる環境を提供するとともに、ワークショップなどを通じ、地域とアートを結びつける、また、守谷だからこそできる新しい地域プロジェクトを開発することで地域の活性化につなげようとする試み、守谷市の街づくりにも貢献している事業です。このプログラムを運営するディレクターの小田井真美さんにお話をうかがいました。

 

■この事業が始まった経緯と、守谷市が拠点になっていることについて教えてください。

アーカススタジオ東京藝術大学が取手市にキャンパスを開設していることから、当時の平山郁夫学長と橋本昌茨城県知事の新春対談が行われました。その中で、欧米では広く取り入れられているアーティスト・イン・レジデンス事業がテーマのひとつになったことがきっかけだったと聞いています。守谷市が拠点になっているのは、都心へのアクセスの良さといった地理的な面に加えて、施設の提供が可能であったことから実現したそうです。アーカススタジオのあるこの「もりや学びの里」は、移転した大井沢小学校の旧校舎を利用した建物です。守谷市では、このアーカスプロジェクトを契機に「アートのあるまちづくり」も進めています。

 

■ これまでの活動はどのようなものでしたか。

この事業がはじまって平成23年度で18年になります。アーカスプロジェクトには、国内外の多くの現代芸術分野の若手アーティストが参加してきました。公募や推薦によって毎年4名程度を招へいし、概ね三ヶ月の滞在期間の中で創作活動や地域との交流事業に取り組んでいます。この間の滞在費用や創作活動費などは、国や企業、団体等の協賛・助成によってまかなわれています。また、事業の運営についても地域や学生などのボランティア組織を主体に行われてきました。 創作状況の大半は公開され、成果を発表する場も用意されています。また、地域の人々に現代芸術への理解を深めてもらうために、招へいアーティストによるワークショップやセミナーなどを開催したり、守谷市の主催する文化祭などのイベントにも積極的に参加してきました。あまり知られていないかも知れませんが、アーカスプロジェクトは応募者の人数や国際的な知名度では、国内でもトップレベルのアーティスト・イン・レジデンス事業になっています。

アーカススタジオ アーカススタジオ

 

■ 昨年のアーカスプロジェクトの参加アーティストについて教えてください。

アーカススタジオ

昨年は3名の外国人アーティストを招へいしました。ヴォイチェフ・ギレヴィチュ(ポーランド)、ワイ・クエン・フイ(香港)、ファザル・リズヴィ(パキスタン)です。
守谷市や茨城県の地域性、文化を創作テーマとした提案というものを採用しています。また、東日本大震災の被災地となった茨城県が創作活動の滞在地であるということから、地域の人々の心情に寄り添うことで、日本社会や日本人が共感できるテーマであるともいえます。前年度までと大きく異なるのは、地域や町中でリサーチを行い滞在制作するという形から、スタジオで制作しながらリサーチを深めていくという点です。

 

■ TX沿線のまちづくりとアーカスプロジェクトの関連については、どのようにお考えですか。

TXによって交通の便が良くなっていますので、アーカスの活動はますます活性化していくのではと考えています。街づくりというのを私たちの視点から見ると、地域の個性を大切にしていくことが必要だと感じています。沿線には、新しい街並みが次々に生まれていますが、開発の軸がずれてしまうとせっかくの都市の個性が消えてしまいます。守谷の場合は、室町時代から綿々と重なる歴史の上に新しい個性を作っていくわけですからさらに複雑で独特です。それぞれの地域の個性を見失わないようにしていくことが必要だと思います。

■ 今後の目標を教えてください。

1年単位の事業ですが、末永く継続していくことが1番の目標でしょうか。まもなく20年を迎え、地域と一体となったアーカス・コミュニティも形成されつつあります。私たちだけでは決められない部分でもありますが、継続していくことでアーカスの活動が地域に根差した本物の地域貢献や地域の活性化につながっていくものと思っています。

小田井真美ディレクター

小田井真美ディレクター

※小田井さんは平成24年3月をもって退職されました。
掲載内容は平成24年2月1日取材時のものです。

■ アーカススタジオ(アーカスプロジェクト)

住所 〒302-0101
茨城県守谷市板戸井2418
もりや学びの里内
受付時間 10:00~18:00
TEL・FAX 0297-46-2600
URL http://www.arcus-project.com

 

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